アニメ化20周年
記念商品発売

スタッフコメント

今回20周年を迎え、新たに作成されたイラストに関して、 ご担当いただいたスタッフの方々よりコメントを頂きました。

キャラクター原画：工藤昌史 様

当時、『リーンの翼』に参加して、印象に残っていること、苦労した点などあれば教えてください。

印象に残っているのは富野監督の情報インプット/アウトプット量と速度です。
打ち合わせでも「あれ見た？」と映画の話をされたり、棚にはハードカバーの小説、
当時はたしか雑誌に連載もされていたかと。ただでさえ時間がいくらあっても足りないのにと驚きました。

今回のパッケージイラストを仕上げる上で意識したのはどんな点でしょうか。
楽しかった点、難しかった点など含めて教えてください。

「今描くならこう」という意識で描きました。
外箱のイラストは富野監督のコンセプトを元に作成しましたが、
コンセプトをいかに形にするかは難しくもあり、楽しさもありましたね。

メカニック原画：吉岡 毅 様

当時、『リーンの翼』に参加して、印象に残っていること、苦労した点などあれば教えてください。

富野総監督の数々のお言葉です。

メインスタッフとして参加する際の指針・覚悟を教えてもらい、良くも悪くも今の自分の土台となった大切な作品です。 『リーンの翼』に参加していなければ、今の自分はどうなっていたか…想像するのが難しいです。

CGがまだまだ主力ではない当時、作画による線撮チェックを行い、その上で上がったCGのチェックを重ねる。 二段、時には三段チェック体制を行う為、線画の段階で通常のカット構築を済ませ、CGに置き換わった時の違和感の削減、CGならではのプラスαを引き出すことに苦労しました。 3Dチーフの片山さんのお力があってできたことでしたが、オーラバトラー特有のオーダーに応えることは難しかったですね。

オーラシップも大変でした。時間の制約と闘いながらのディテールアップ作業は、手をつけたカットは毎回アドリブのでっち上げという暴挙に近いものでした。よくできたな…と。

当時、このような作り方をしていた作品は本当に少なく、時代の変化を強く感じます。

今回のパッケージイラストを仕上げる上で意識したのはどんな点でしょうか。
楽しかった点、難しかった点など含めて教えてください。

桜花とB-29は楽しかった面がありつつも、第二次大戦の悲劇に関わる兵器ですので、過剰に格好良く見えないよう意識しました。
可能な限り正確に淡々と描くべきで、それは戦争を知らない世代の私が最低限見せられる誠意だと考えました。
待望のナナジンは作画が大変だからこそ嬉しかったです。
メカと生体パーツの両立。メカにも生き物にも見える描き方を心掛けました。
20年ぶりに当時と同じように考えながら、そして、今だからこそどう描けるかを楽しみながら描けたように思います。

仕上げ：横山さよ子 様

当時、『リーンの翼』に参加して、印象に残っていること、苦労した点などあれば教えてください。

今では普通ですが当時のCG作品はびっくりすることばかりでした。
手描きでは出来ない物が動く驚き、何より羽を広げたオウカオ－の美しさは
今でも鮮明に覚えています。

「ナナジンを赤くしたい！」　話の中盤くらいに富野監督がおっしゃった時には、
びっくりを通り越して頭が真っ白になりました。
「サンライズ本社前の立て看板にも青いナナジンのキ－ビジュアルが貼ってあるじゃないですか！（泣）」
ハラハラしている横で設定制作の谷口さんが
「考えろ、俺！よし、オ－ラロ－ドを通ったから赤くなったことにしましょう！名前はアッカナナジン！」
この切り替えの速さ。これが富野班かあと不思議と納得をしました。とにかく楽しいスタジオでした！

今回のパッケージイラストを仕上げる上で意識したのはどんな点でしょうか。
楽しかった点、難しかった点など含めて教えてください。

ラフをいただいて、こんなシ－ン本編にあったっけ？と思い出せなかったのですが
今回のパッケージイラストの構図ラフを富野監督がご作成したという経緯をお聞きし、
監督が込めた要素を尊重する方向として、
余計な色味は入れずに出来るだけ当時のままのイメ－ジでペイントしました。